LOGICトレーニングは、株式会社プライムビーピーの社内教育用に開発したトレーニングメソッドです。
プログラミング力、システム開発力、そして問題解決力のベースとして重要なのはロジックを組み立てる力にあるとの考えの元に、独自に作り上げた研修用教材です。
これまでのシステム技術者教育は、プログラム言語の習得に偏重し、プログラム言語を用いて記述するロジックそのものを考える普遍的な力を、あまり重視してこなかったのではないかと考えます。
プログラム言語に精通することも、たくさんのプログラム事例を勉強することも重要なことですが、ロジック力はより普遍的な考える力に根差した能力であり、誰にでも学習可能な技術です。
ロジック力は正にロジカルシンキングそのものです。
但し、難しいフレームワークや仮説思考の学習でなくとも身に付けることが出来ます。
人は言葉を使って考えます。
言葉こそがロジカルシンキングのベースであり、言語力の向上がカギとなります。
学校教育へのプログラム教育の導入や一般のビジネスパーソンにおける不可欠なスキルとしてのシステム知識の向上が課題となっていますが、必要とされているのは個々のシステム技術の知識ではなく、正にロジック力ではないでしょうか。
LOGICトレーニングは、システム技術者の能力向上のためだけのものではなく、ロジック力の全般的な向上を狙いとし、子供から大人まで幅広く、そして楽しく学べる内容となっています。
ロジックトレーニングは、難しいロジカルシンキングの研修ではなく、またプログラム言語の学習でもありません。
ロジカルシンキング、プログラム開発の基礎となるロジックを組み立てる力(ロジック力)を養う基礎的な演習です。
ロジック力は、物事を理解する力、人へ伝える力、学習する力を向上させます。AI時代に求められているのは、まさにロジック力です。
システム技術者にとってロジックとは、プログラムの処理手続きを指すだけではなく、システム機能全体の整合性の土台となるものです。
更に開発の上流工程へ行けばシステムを活用した問題解決のための目標(仮説)設定にも、ロジックの組み立て能力は必要不可欠と言えます。
一方で、このロジックを組めないシステム技術者が、プログラマーからSEに至るまで非常に増えているのではないかと懸念されます。
整合性の欠くシステム設計や仕様段階でのバグの多さ、プログラムの初歩的な不具合などを多く目にしますし、大規模システム開発の失敗事例にも事欠きません。
確かに以前に増してソフトウエアの活用が飛躍的に増大していることや技術の急速な進展と複雑さが増していることも一因と言えます。
一方でスクラッチ(ゼロから顧客の要望に基づいてシステムを作り上げること)での開発は減り、パッケージの活用、アジャイル開発の導入、システム保守への比重の増大が、総合的にシステム開発を経験する機会を減らし、一部のロジックだけを追うような仕事を増やしてしまい、ひいては多くのシステム技術者のキャリア形成の壁となっていることにも原因があると言えます。
その結果、時間的にも機会の上でもしっかりロジックを組む経験が不足してしまっているのではないでしょうか。
当社では、「20代をどう過ごしたかで30代が決まる。
同じように30代は40代を、40代は50代を、というように前の10年が次の十年に大きく影響を与えるので、仕事を通じた経験だけではなく、広く人間としての総合力を高める」ということを重視していますが、残念ながら40歳に近づくと青息吐息となる人が出てきます。
そこには日頃から本をよく読み、多様な交流を通じ経験したことからだけではない知識を蓄積し、様々な事柄に興味を持つ人と、そうでない人とで大きな差があるように感じています。
人が自らできる経験は世の中のほんの僅かでしかないのですから、自らの実体験を応用化することでより大きな力へと変えていると考えられます。
若いうちは若さだけで通用することも多く、そのことだけで評価される面もありますが、年と共に求められるものは変わっていきます。
特に専門性の高いエンジニアという職種では、近視眼的になりやすく、また経験至上主義にも陥りやすいように思います。
40歳という年が目の前に来た時には、時既に遅しとなってしまうのは会社としても大きな損失ではないでしょうか。
プログラマーであっても技術は日進月歩で進化しますし、システム設計やコンサルティング、プロジェクトマネージャー、そしてマネジメント業務へとキャリア形成するに従って求められるものは、決して経験の延長線上にのみある分けではないのです。
ソフトウエアは今や社会インフラと言えるほど社会やビジネスの基盤をなしています。
そのソフトウエアを構成するのがプログラムであり、プログラム言語によって作られます。
プログラム言語が重要であることに何ら異論はありませんが、プログラム言語を身に付けると正しいプログラムが出来上がるのでしょうか?
私たちは日本語を聞き、書き、話します。
そういった意味では日本語を身に付けていますが、正しく(他の人が常に間違わずに意図を理解する)聞き、書き、話すことを常に自信を持ってできる人はどのぐらいいるのでしょうか?
例えば日本のサッカー界でよく言われる話があります。
個々の選手はドリブルやキック、シュートと言ったボールを扱うテクニックが長けていていますが、ゲームにおいては世界のレベルで通用しない、と。
つまり基礎的なサッカーのテクニックを身に付けても、実践である試合では、試合を組み立てる力や瞬間的な判断能力などの別の要素が必要となると言うことを指しています。
正にプログラム言語も同じで、プログラム言語を適切に操る基礎的な力だけではなく、プログラム言語を使って記述するロジックそのものをつくり上げる力の育成と合わせて行うことを重視すべきではないでしょうか。
IT技術の進歩と共にプログラム言語自体も種々移り変わりますが、その目的とするロジックそのものは変わりません。
プログラム言語はロジックを組むために作られていますので、ロジックを組むためには必須ではありますが、ロジックを組む道具でしかなくロジックそのものではありません。
IT技術の進展は、遂に誰もが手にしていつでもどこでも便利に日常的に扱えるスマートフォンという形態にコンピュータの姿を変えてしまいました。
このことは様々なソフトウエア開発へのニーズを増大させ、システム技術者不足をもたらす要因のひとつとなっています。
経済産業省の発表では、不足数が2020年には36.9万人、2030年には78.9万人に達すると予想しています。
こうした事態への対応を考慮してか、2020年には学校教育へプログラミングの教科を導入する準備が進められています。
導入にあたり有識者会議が開かれ様々な検討と意見が交わされたようですが、教科導入に際しては単にプログラム言語を習熟させることではなく、IT時代に相応しい論理的創造的な思考(プログラミング的思考)を身に付けることを重視すべきとの結論がまとめられています。
この考えには大いに賛同します。
プログラミング的思考つまり論理的に考え、組み立てる力こそが子どもにも大人にも必要であり、小さい頃から教育することで大人になっても変わらぬ普遍的な能力となるからです。
プログラミング教育が、論理的に考える力の涵養に大いに役立つことも間違いないと言えるでしょう。
学校教育は子供たちが学ぶことの基礎を身に付ける大切な場であると思います。
一方で日本の学校教育は、変わりつつあるのかもしれませんが、あまりにひとつの答え(正解)を求めることに偏っていないでしょうか。
日本人が英語を苦手としているのは有名ですが、まるで数学のような学校の英語教育では英語を好きになれないのは当然と言えます。
我々は日本語をひとつの正解を前提に操っているでしょうか。
しゃべるための最低限のルールの中で自由に言葉を発してはいないでしょうか。
ところが日本の英語教育はひとつの単語の意味、ひとつの文章の翻訳に偏り、そしてまるで数学のような公式化された英文法に縛られているように感じます。
ロジックには正解はありません。
正しい答えを導き出す必要はありますが、ロジックはその答えをだすためのプロセスだからです。
プロセスは何通りでも考えることができます。
確かに実際のプログラムロジックは、処理の効率性や省資源、保守性など様々な面から評価されますが、ロジックを学ぶことの意義は、論理的に整合のとれたロジックを組み立てることを基本としつつ、そうした経済性や効率性なども含めた様々な条件や場合分けを考慮できるようになることだと思います。
ロジックをしっかり考えることができる力は、人の痛みを理解する力へも通じますし、様々な要因を整理し、解決していく思考力を向上させます。
何よりひとつの答えを探そうとすることから複数のプロセスを考えようとすることへのシフトは、大きな思考のパラダイムを変えることだと言えるでしょう。
ビジネスへのITの導入は急速に進展しています。
パソコンの1人1台の導入と言われた時代から、今や多くのビジネスパースンがノートPCやタブレットを携帯して外出し、常に通信で繋がった時代へと変化しました。
ビジネスだけではなく社会全体が日常的にシステムとプログラムに囲まれた状況にあると言えます。
こうした中、ビジネスパースンにはシステムやプログラムを単に利用する立場からそれらを作り上げるスキルが今後求められてくると思います。
それはプログラムを作るということではなく、プログラムの目的であるビジネスロジックを作る責任は個々の業務を担うビジネスパースンに必須の役割になるだろうと言うことです。
これまでのIT化のプロセスでは、業務を知らないソフト会社と業務に精通した顧客が共同で、コミュニケーションを図りながらシステムの構築を進めてきています。
言わば業務の言葉をITの言葉へ翻訳し、プログラム化していくわけです。
多くのトラブルはITへの理解が足りない顧客と業務知識のないIT技術者の間での翻訳での齟齬にあると言われ、徒にコストや時間の掛かるシステム開発が行われてきました。
今後は、システムの複雑化と規模の拡大が進みつつある中、よりITを業務戦略の中核に位置づけ機動的にIT活用を図るためには、ITベンダーはよりIT技術やプログラムコーディング、システム運用へ特化し、システムの中核部分であるビジネスロジックは顧客の役割となり、より業務戦略に密接に関連したIT化が進められる必要性が増すものと考えられます。
このためには、業務に精通した上に開発レベルでのビジネスロジックを組み立てられる人材が多く養成されなければなりません。
※1.LOGIC BOXはIDEF0の考え方を応用した文書を整理するフレームワークです。
※2.商標登録:登録第6023210号。
LOGICトレーニングは言葉の感度を高める言語演習領域とロジック自体をトレーニングするロジック演習領域の2つで構成されています。
ロジック演習領域では、ロジック演習用に開発したピタゴラロジックを用いてプログラムロジックの演習を行います。
IT系専門学校等学生 |
派遣会社のエンンジニアのキャリア研修 |
一般企業の新入社員研修 |
一般企業の管理者研修 |
小中学生プログラミング学習 |
一般企業向け1日トレーニングコース | |
午前 | ①LOGICトレーニングの概要説明 |
②言語領域講義・演習 | |
午後 | ①DECISIONTABLE作成演習 |
②自然言語LOGIC演習 | |
③ピタゴラロジックによるロジック演習 |
期間トレーニング | |
期間 | 3ヶ月 |
トレーニング日 | 毎週1回 |
時間 | 2時間(総時間30時間) |
演習内容 | ①DECISIONTABLE作成演習 |
②自然言語LOGIC演習 | |
③ピタゴラロジックによるロジック演習 |
トレーニングのカリキュラムは目的、トレーニング対象者に応じて各演習を組み合わせてアレンジ致します。
1日トレーニング 16,000円(1人) |
期間トレーニング 2,000円(1人1時間あたり) |
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帝京平成大学千葉キャンパス馬場准教授(体育・スポーツ経営学)のご協力により、スポーツマネジメント論の授業の一部を使い、授業の一貫としてLOGICトレーニングの講座を開催しました。
平成帝京大学健康医療スポーツ学部3年生の皆さんは、将来スポーツマネジメント会社、トレーナー、体育教員等々を目指して勉強に励んでいます。
今回の講義では、ワールドカップなどの身近なスポーツの話題を取り上げるなどして、ロジカルに考える方法、 ロジカルに考えることが伝達力の向上に繋がること、そして思考のベースとなる言葉の重要性を中心テーマとしました。
基礎的な習慣付けでロジカルシンキングが身に着くことを理解して頂けました。
中堅社員向けの言語領域講義の様子
LOGICBOXの説明内容
演習の発表